『リベリオン』に見る<法>の執行人と<永遠の戦士>

昨日、DVDで『リベリオン』を観た。…なんとも素晴らしくB級アクションであり、かつ一昔前の管理社会型未来(「今どき管理社会かよ!」と言うなかれ。そういうレトロな未来を――たぶん監督がその手の世界が好きだから――わざと描いてるんだと思われます。『華氏451度』まんま消防服の人が絵を焼いちゃたり、指導者の呼び名が「ファーザー」だったり、これをわざとといわずしてどうする?)がベリーナイスな作品で、今まで見逃していたことをちと後悔。

で、いきなりTRPGのストブリに戻るんだけど、エルリック!における<法>の勢力というのは、魔法的な力を<混沌>のものとして嫌う、という設定になっている(実際、呪文を1つ覚えたりするだけでもそのキャラクターは<混沌>に傾いてしまう)。じゃあ<法>はどんな力で<混沌>に対抗するのか、というと、なんと「技能」だったりする。

「いやちょっと待て」…こう思った人は多いはず。よりによって「魔法」に対して「技能」で対抗するなんて。loveichiもずっとそう思っていました。だから、ちょっとだけルールブックに書いてあるように、ある種の技能の成果としての「機械」(ルールブックには<法>の神殿のゴーレムのことが軽く書かれているし、原作にも<法>側のものとして、金属製の人を乗せて飛ぶ鳥が出てくる)をGM側で用意していたんだけど………『リベリオン』観て気が変わりました。

この『リベリオン』、主人公はガン=カタ(銃型!)なる、「戦術的・統計学的に絶対に敵の銃弾の飛んでこない場所を常に確保しつつ、自らは効果的に敵に銃弾(あるいは刀剣)をぶちこむ」という、要するに自分は何十人という敵から撃たれても全く当たらずかすり傷さえ負わないけど、相手には自分の攻撃を即死級のダメージで当てまくる技(ありえねー)の達人なのです。そしてこのガン=カタを使い、反乱勢力を表情すら変えずに根こそぎ倒す彼らを「クレリック(聖職者)」という…。

…これだ。<法>の執行人はこの「クレリック」だったんだ(笑)。任務どころか名称までそのまんまだし。

かたや呪文唱えまくり、デーモン呼びまくりで魔法全開の<混沌>の執行人、対するは技能を極限まで高めた人間殺人マシーンの<法>の執行人……うわぁ、絵的にもいい感じじゃないかっ。


というわけで、ストームブリンガー/エルリック好きで『リベリオン』未見の方、必見です。多元宇宙の中で、<法>に傾いた世界(とその執行人)を観ることができることうけあいです。

…いや、エンディングから考えて、主人公はきっと<永遠の戦士>のイチ人格に違いない(笑)。