存在感のある個々の戦闘

BGの何が面白いっていえば、その自由さ(あるいは自由だと錯覚させてくれる作り込み)がまず思いつくけど、もう一つ、「戦闘」が楽しいっては外せない。

これは原作のD&D――BGの場合はAD&Dなので、loveichiは実際にプレイしたことはないんだけど――もそうで、PCのカスタマイズっていうものの大半はこの戦闘を勝ち抜く楽しさでもあったりするわけです。無印D&Dならそれはダンジョン探索で手に入れる魔法のアイテムだし、D&D3eならそこにスキルとフィートが加わり、さらにタクティカルコンバットだし。

BGは、こうしたD&Dの伝統に加えて、1回1回の戦闘のために編成やら魔法やらをしっかり練る必要があるという、戦術の楽しさまであったりします(TRPGの場合は、その代わりにプレイヤーによる機転でその戦闘を有利にしたり回避しちゃったりといった醍醐味があるのですが)。

しかしNWNでは、ここがちょっと弱い。いや、断言はしちゃいけないけど、少なくとも公式シナリオではこの楽しみは味わえる場面は少ない。…これはシングルプレイのときにNPCを率いたパーティを組めないからで、どうしても1人旅(+ヘンチマン)でどうにかなるような戦闘ばかり用意されてるからだと思われます。そりゃそうだ、「どういうパーティーを組めばいいだろう?」なんて悩むBGに対して、NWNは自分1人とお供1人以外選択肢はないんだから。

実際、ツールセットのデフォルトでは、戦闘による経験値がTRPGの10%に抑えられているという……要するに、1回の戦闘の密度が薄い代わりに、ザコ敵との遭遇が数多いのがNWNのデフォルトだと製作者側も考えているわけです。

なので、有志のモジュールなんかで戦闘がツライと呼ばれるものは、その多くは「この敵強い!」というより、「やたらと敵が湧くよ!」となる傾向にあるわけで(あるいはボスだけ妙にドーピングされてるとか)。

このあたり、マルチを前提にしてしまうことで、自パーティ対敵パーティによる、戦術的な楽しみのあるバランスっていうのを実現できないだろうか……と、悩むloveichiなのでありました。