『クトゥルフ・ダークエイジ』第一印象

時間の合間を見てはチラホラ読み進めていた『クトゥルフ・ダークエイジ』を読了。ちなみにこれ、『クトゥルフ神話TRPG』(以下「本編」)の半分ほどの厚さでした。

基本システム部分(BRP)がしっかり掲載されており、クトゥルフ本編を持っていなくてもこれだけでプレイできるので、クトゥルフ初めての人にもオススメです。しかし、既に本編を持っている身からすると、基本システム込みでルールブックが半分の厚さということは、それだけ特別読むところがないとも言えるんですけどね… orz

特徴的なルールとしては、剣や斧なんかを使った実際の戦闘が『エルリック!』っぽく実装されている点や、技能に割り振るポイントを50あるいは100使うことでキャラクター作成時から魔術を覚えることができる点などが挙げられるでしょうか。

しかしながら面白いのは、そうしたルール面よりも、背景世界とクトゥルフとの相性の良さですね。個人的には現代を舞台にするよりも禍々しさが増してワクワク。特に、探索者は「起きたことをキリスト教の知識内で判断しようとする」(←原文忘れ。同じ意味での記載アリ)とプレイの指針が書かれている点なんかは、個人的に本作の肝かと。

クリーチャーについても、悪魔とかドラゴンとか巨人とかゴブリンとか、当時の民間伝承や神話上の存在をクトゥルフ系クリーチャーで説明してあるのですが(場合によっては人間との混血だとか)、ある意味本来のクトゥルフよりも説明が歪んでいるのがむしろ不気味。

loveichi的には、中世を舞台としたおかげでかなり「黒い」雰囲気に仕上がっていると思います。誤解を恐れずに言えば、非常に「悪魔的」です。本編に比べてルールブックが薄く、読むところが少ないかもしれませんが、この雰囲気だけでも買って損はないんじゃないでしょうか。