「ファンタジー」の「リアル」ってのはその異世界の中のリアルであるべきで

個人的に、TRPGで「ファンタジー」を感じた最高の作品っていうと、それはどう考えても『トンネルズ&トロールズ』(T&T)です。

なんていうか、突拍子もないんだよね。意味不明なんだよね。でも「あぁ、そういう世界なんだな」と納得できちゃうんだよね(←理解ではなく、納得であることところが結構重要)。有名な初級攻撃魔法の『これでもくらえ』のネーミングとか最高で。ひるがえって、刀剣類のデータは異様に豊富だったりするのがこれまた最高で。武器のデータにみられる妙にリアルな人の生活感と、全くハジケた魔法とクリーチャーたちのコントラストが、不思議な説得力を持つんだよね。

なんて言うかな、なんとなく「なんかこんな感じの世界なんだろうな」と思えちゃう。「『こんな』ってどんなだ?」っていう、そこを超越した空気、肌触り。その「異世界感」。異世界の「空気感」。リアルっていうのは、現実世界と比べてどうだって意味じゃなくて、「その世界ならアリだ」って納得できることだと思うのです。
(だから同じケン・セント・アンドレがデザインした『ストブリ』は、小説とまるで違う世界になっちゃったんだろうなぁ…笑)

以前、「しっかりと構築したワールドガイドが楽しい、けどそれはファンタジーじゃないかも」…みたいなことを書いたけど、この「異世界感」を含めて構築していれば、その「異世界でのリアル」を構築していれば、それはたぶん「ファンタジー」なワールドガイドになるんだろうなぁ。RQのグローランサとか、実物を読んだことないけど、たぶんそういう感じなんだと思われます。