今のボウイはボウイとして笑顔で歌えるのです

ウッカリ情報を集めずにいたら、デヴィッド・ボウイの公式ライヴDVDが今月既に発売されていました。危うく買い逃すところだったー(ヤベー)。これは最新のREALTYツアーを144分と余すところなく収録した、かなりイイ感じの出来ですよ!(≧▽≦

それにしてもアンコール後のラスト3曲は「Five Years」「Hang On To Yourself」「Ziggy Stardust」という一瞬呆れる展開。最後のジギスタなんか、まんま72〜73年当時のジギーのポーズ(両腕を真横に伸ばす例のやつ)でキメる始末。………いや、スミマセン、嘘です、呆れません。むしろ感動です

間違ってもこれは、ヒットパレードに感動したという意味ではないのです。…90年代以後、まるで自身が自身を取り戻すためのリハビリを生き抜いてきたかのような強さを手に入れた今でさえ、ジギーというのは大きすぎるペルソナであって、(たとえ「Moonage Daydream」は既に開放していたにしろ)その曲、その名そのままの曲を演るのは、相当の「自分」がないとできないと思っていたのです(それは、シリアスムーンライト時のジギーの演奏と封印宣言の、真逆なんじゃないかと)。

それが、ボウイは笑顔さえ見せて大観衆に向かって歌います。…その「今のボウイは笑顔でジギーを演れるんだ」というのが驚きであり感動であり。ここでは、「70年代の切実さは既にないなー」というよりも、「もうジギーをやってもボウイはボウイなんだ」という宣言を、笑顔でサラっとやられてしまった感動のほうが大きかったのです。